2021年6月某日、友人4名と山形県鶴岡市を流れる藤島川上流に渓流釣りを兼ねて登山泊に向かった
そこで白骨化したご遺体を発見してしまったんです。

この記事では山中で、ご遺体を発見した際の我々がとった行動すべてをお伝えしていこうと思います。
山に入る方であれば、同じような経験をされることもあるかもしれません。
いざという時のため、参考としていただければと思います。
※参考どころか至らぬ点もあるものと思いますがどうかご容赦ください。

今回の計画は当初、尾花沢市の鶴子ダム上流に登る計画であった。
だが、ここが土砂崩れにより通行止めとなっていたため(2021/6月現在)急遽この藤島川に入ることとなった。
入渓して早速、竿を出す。

するとイワナの活性が高く、我々は釣りに没頭した。
上流に行くにつれ険しくなる

そして・・・
大きな流木に目を向けた瞬間・・・
思わず叫んでしまった。

一目でわかる人間の頭蓋骨に顎の骨
周辺には足・骨盤・腕などなど・・・
瞬時に事を理解した。
友人は、うるせーな何事?と、眉をひそめて近づいてきた。
ここで友人たちも瞬時に理解した。
全員、気が動転した。
なにをすべきか、どう対処するべきか分からなかった。
こんな予定ではなかった。
皆が冷静さを失い情緒不安定な状態ではあったが、
見なかったことにする
この選択だけはしてはいけない。
そう誰かに言われているような気がしてならなかった。

一旦落ち着き、次の行動をどうとるか考えた。
直ちに引き返し通報するべきなのは重々承知であったが時間も時間。
携帯など繋がるわけもない。
薄暮の山中を下山するなんてそれこそ危険極まりない。
計画通りテント泊し早朝下山することに皆が同意。
日は暮れ周辺は暗闇に・・・
点在する流木や倒木、川が流れる音、風すべてが気になる。
少しでも紛らわすため大声でバカな会話を交わし
ウィスキーを一気飲みして眠りについた・・・
・・・翌日無事に入渓地点に戻り車に辿りついた。
そして電波が通じるところまで降り、ようやく通報。
その後、水も食料もないまま約3時間も待機し警察や消防関係者数名と合流。
すると・・・
今から徒歩で現地まで向かうとのこと。
時刻14:00
さすがに、また登っていくのが億劫で遠まわしにGPSの緯度経度を伝えた。
しかし入渓地点から発見現場までの経路が複雑すぎて口頭では説明できず案内してほしいと。。。
すでに疲弊しきった我々に再度 沢に入り案内しろと???
今からまた行くんですか!?足パンパンっすよ?
・・・と、思いつつも
我々は案内人として覚悟を決めた。

装備を整え、再びあの場所へ。。。
草をかき分け、川を渡り1時間ほどで到着。
その後、状況確認が始まり遺骨を指さして写真を数枚撮られる。
とても複雑な心境だった・・
状況確認を終えた後、遺骨を回収し無事に下山。
自宅についたときは安堵した
数日後・・・
ご遺体の身元は未だに判明していない。
できる限り早く家族のもとへ帰ってほしいと切に願います。

私は渓流釣りなどで山の奥深くに頻繁に通っているが初めての経験であった。
そして、この経験からは多くの事を学んだ。
山に入る目的が釣りや山菜・キノコ採り、登山、いずれも人が容易に立ち入れない場所には
見たことのない絶景や美しい渓魚・美味しい山の幸が待っている
・・・かもしれないと、山中に足を踏み入れた者は山の奥深くへと引き込まれていく
待っているのは一体なんなのだろう・・・?
山の魅力に相反する怖さ(山で死ぬということ)をもしっかり理解し、装備・知識を整え向き合っていかなければならない
知らないのは無知
知ろうともしない無知は死に値する
もしかしたら突然現れたあのご遺体は、私たちにそのことを伝えたかったのではないかと思います。